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眺望 医薬街道

麻薬で痛みのない最後を迎えたい

近藤正觀

2023年6月1日号

 現在の日本の総人口は約1億2600万人だが、今後は減少が想定され、国立社会保障・人口問題研究所は2070年には9000万人まで減り、高齢化率は38%台と推計している。人口減少に伴う少子高齢化は日本の国力が衰亡する課題でもある。現在の年間の死亡者数は約130万人だが、想定するピーク時(40年)には約170万人に達する。対する出生者数は80万人を下回るので、人口減のスピードは速い。  死因を見ると、第1位はがんで約40万人、2位は心疾患の約22万人、第3位は老衰の約17万人となっている。5月18日開催の医療と介護の同時報酬改定に向けた意見交換会では、患者の希望する緩和ケアについて議論された。厚生労働省の20年の意識調査によれば、病気で治る見込みがなく、およそ1年以内に死にいたると考えられるときの死に場所は「自宅」が43.8%、「医療機関」が41.6%と拮抗している。しかし、自...  現在の日本の総人口は約1億2600万人だが、今後は減少が想定され、国立社会保障・人口問題研究所は2070年には9000万人まで減り、高齢化率は38%台と推計している。人口減少に伴う少子高齢化は日本の国力が衰亡する課題でもある。現在の年間の死亡者数は約130万人だが、想定するピーク時(40年)には約170万人に達する。対する出生者数は80万人を下回るので、人口減のスピードは速い。  死因を見ると、第1位はがんで約40万人、2位は心疾患の約22万人、第3位は老衰の約17万人となっている。5月18日開催の医療と介護の同時報酬改定に向けた意見交換会では、患者の希望する緩和ケアについて議論された。厚生労働省の20年の意識調査によれば、病気で治る見込みがなく、およそ1年以内に死にいたると考えられるときの死に場所は「自宅」が43.8%、「医療機関」が41.6%と拮抗している。しかし、自宅

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