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検証 医薬品と[特許]

コロナワクチンと特許権の放棄

第17回

元大阪大学大学院 経済学研究科講師 西口博之

2023年6月15日号

 2年前の21年6月11〜13日、英国のコーンウオールで開催されたG7主要7ヵ国首脳会議(G7サミット)では、新型コロナウイルス感染拡大の危機脱出への道筋を示し、合計10億回分のワクチンを低所得92ヵ国並びにアフリカ連合を中心とする世界各国への供与で合意(米国5.8億回、英国1億回、日本3000万回、カナダ1億回、EUで1億回など)した。なお、英国分の1億回分は新興国にワクチンを提供する国際的な枠組みである「COVAX」を通じて8000万回が供与され、うち2000万回は必要とする2国間の支援に回された。  国際機関による対応のひとつに特許プールがある。医薬品に特化したものが非営利組織の「MPP」(医薬品特許プール)だ。後で詳述するが、新興国に対しパテントプール・メカニズムを通じて抗ウイルス薬を高品質で安全、有効そして、より手頃に入手できるように活動している。  2年前の21年6月11〜13日、英国のコーンウオールで開催されたG7主要7ヵ国首脳会議(G7サミット)では、新型コロナウイルス感染拡大の危機脱出への道筋を示し、合計10億回分のワクチンを低所得92ヵ国並びにアフリカ連合を中心とする世界各国への供与で合意(米国5.8億回、英国1億回、日本3000万回、カナダ1億回、EUで1億回など)した。なお、英国分の1億回分は新興国にワクチンを提供する国際的な枠組みである「COVAX」を通じて8000万回が供与され、うち2000万回は必要とする2国間の支援に回された。  国際機関による対応のひとつに特許プールがある。医薬品に特化したものが非営利組織の「MPP」(医薬品特許プール)だ。後で詳述するが、新興国に対しパテントプール・メカニズムを通じて抗ウイルス薬を高品質で安全、有効そして、より手頃に入手できるように活動している。

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