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Dear Tomorrow 新しいヘルスケアマーケティング

N-of-1試験と医療②

第118回 副作用症状の確認に活用、薬物アドヒアランス向上例も

ジョージメイスン大学大学院(バージニア州)パブリックヘルス専攻  堀玲子

2023年6月15日号

 前回5月15日号に引き続き、医薬品開発におけるN-of-1試験の将来性について、各国での動きを紹介する。  カナダのマックマスター大学グループは、医薬品開発もN-of-1方法論の使用から利益を得る可能性があると推測した(①)。理由として、承認前の医薬品開発コストが高く、かつ上昇傾向にあるため、とくに費用がかかる大規模なランダム化比較試験の前にN-of-1試験を実施することで、早期の有効性を評価するのに役立つとしている。従来のアプローチよりも安価であり、反応の予測因子を特定することができるなど利点を並べている。  また、スタチンの筋症状による薬物中止に関して、N-of-1試験を利用して忍容性を確認し、投与再開の可能性を探るといった有益な情報が論文で示されている。16年に英国の医療機関50施設で筋症状が発現したため、スタチンを中止または中止を検討し...  前回5月15日号に引き続き、医薬品開発におけるN-of-1試験の将来性について、各国での動きを紹介する。  カナダのマックマスター大学グループは、医薬品開発もN-of-1方法論の使用から利益を得る可能性があると推測した(①)。理由として、承認前の医薬品開発コストが高く、かつ上昇傾向にあるため、とくに費用がかかる大規模なランダム化比較試験の前にN-of-1試験を実施することで、早期の有効性を評価するのに役立つとしている。従来のアプローチよりも安価であり、反応の予測因子を特定することができるなど利点を並べている。  また、スタチンの筋症状による薬物中止に関して、N-of-1試験を利用して忍容性を確認し、投与再開の可能性を探るといった有益な情報が論文で示されている。16年に英国の医療機関50施設で筋症状が発現したため、スタチンを中止または中止を検討してい

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