ついに「終幕」ヤクルト医薬品事業
延命続けたが毎年改定実施で「お手上げ状態」
2023年6月15日号
身に迫る危機を直視しようとせず、空想に逃げる例えとして用いられる「オストリッチポリシー」。ただし実際のダチョウは、危険に遭っても、砂に頭を突っ込む習性はないとされる。高い知性を総じて備える鳥類のなかで、ややオツムが弱いという点が誇張され、伝説として独り歩きしたと解釈されている。
ところが今般、まさに「ダチョウ」的と思わざるを得ない振る舞いを見せたのが、ヤクルト本社による医薬品事業の舵取りだった。19年2月1日号で、新薬が途絶えて久しく、薬価と後発品のダブル圧力により黄昏を迎えた同事業の有り様を憂いながら、本心では奮起を期待したことがあった。だが、残念なことに、いよいよ最期の時を迎えたようだ。
どこから道を誤ったのか
5月半ばに公表されたヤクルト本社の23年3月期の連結決算。売上高は前期比16%増の4830億円...
身に迫る危機を直視しようとせず、空想に逃げる例えとして用いられる「オストリッチポリシー」。ただし実際のダチョウは、危険に遭っても、砂に頭を突っ込む習性はないとされる。高い知性を総じて備える鳥類のなかで、ややオツムが弱いという点が誇張され、伝説として独り歩きしたと解釈されている。
ところが今般、まさに「ダチョウ」的と思わざるを得ない振る舞いを見せたのが、ヤクルト本社による医薬品事業の舵取りだった。19年2月1日号で、新薬が途絶えて久しく、薬価と後発品のダブル圧力により黄昏を迎えた同事業の有り様を憂いながら、本心では奮起を期待したことがあった。だが、残念なことに、いよいよ最期の時を迎えたようだ。
どこから道を誤ったのか
5月半ばに公表されたヤクルト本社の23年3月期の連結決算。売上高は前期比16%増の4830億円、
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