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経口中絶薬市販化に思う

2023年7月1日号

 緊急避妊薬は、日本では処方箋が必要な医療用医薬の扱いだが、アクセス向上の観点から市販化(スイッチOTC薬化)の検討中だ。 世界では約90ヵ国ですでに市販されている。今般市販化についてパブリックコメントへ意見公募が行われ、約4万6000件中約98%が賛成だった、と公表された。「望まない妊娠は誰にでも起こす可能性があり、ニーズがある」という圧倒的意見である。 17年から議論が開始され、同年でも92%もの賛成意見が得られていたが、性教育の遅れや悪用・乱用の懸念からOTC薬化は見送られていた。5年以上なぜ膠着状態にあるか。 経口中絶薬は飲めば何事もなかったような「スンナリ安全薬」では決してない。当然、子宮組織を傷め出血したりする。薬の負担が過小評価され、女性がトラウマを抱えることがないよう万全の配慮が要求される。昨夏、有名プロ野球選手が乱用、つらい思いをさせてい...  緊急避妊薬は、日本では処方箋が必要な医療用医薬の扱いだが、アクセス向上の観点から市販化(スイッチOTC薬化)の検討中だ。 世界では約90ヵ国ですでに市販されている。今般市販化についてパブリックコメントへ意見公募が行われ、約4万6000件中約98%が賛成だった、と公表された。「望まない妊娠は誰にでも起こす可能性があり、ニーズがある」という圧倒的意見である。 17年から議論が開始され、同年でも92%もの賛成意見が得られていたが、性教育の遅れや悪用・乱用の懸念からOTC薬化は見送られていた。5年以上なぜ膠着状態にあるか。 経口中絶薬は飲めば何事もなかったような「スンナリ安全薬」では決してない。当然、子宮組織を傷め出血したりする。薬の負担が過小評価され、女性がトラウマを抱えることがないよう万全の配慮が要求される。昨夏、有名プロ野球選手が乱用、つらい思いをさせている。

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