薬のおカネを議論しよう
財務諸表電子開示システム-医療法人と社会福祉法人
第92回
医療ガバナンス研究所医師 谷本哲也
2023年7月1日号
ここで白状すると、私はお金のことにさほど執着しない人生を送ってきた。裕福な家庭だったわけではない。父親は大学病院の勤務医で、子どもの頃は本もろくに買ってもらえず(そもそも書店など周囲にない田舎暮らしのせいもあるが)、お受験などとも無縁で習い事もほとんどしていなかった(当然、田舎過ぎて塾やお稽古事もないという理由もある)。高校生の頃は月に1枚くらいのCDと多少の文庫本を買うのが楽しみ、という程度の質素な生活をしていたように思う。
大学入学後は、多少仕送りを多めにもらえたおかげで、アルバイトはそこまで懸命にやらなくても済んだ。医師になったあとは、贅沢はできないが給料はそこそこなので、とくに何も考えず診療や研究をやっていた。しかし、結婚後、子どもができて住宅ローンを組んだりするようになると、お金に興味がないとも言っていられなくなっ...
ここで白状すると、私はお金のことにさほど執着しない人生を送ってきた。裕福な家庭だったわけではない。父親は大学病院の勤務医で、子どもの頃は本もろくに買ってもらえず(そもそも書店など周囲にない田舎暮らしのせいもあるが)、お受験などとも無縁で習い事もほとんどしていなかった(当然、田舎過ぎて塾やお稽古事もないという理由もある)。高校生の頃は月に1枚くらいのCDと多少の文庫本を買うのが楽しみ、という程度の質素な生活をしていたように思う。
大学入学後は、多少仕送りを多めにもらえたおかげで、アルバイトはそこまで懸命にやらなくても済んだ。医師になったあとは、贅沢はできないが給料はそこそこなので、とくに何も考えず診療や研究をやっていた。しかし、結婚後、子どもができて住宅ローンを組んだりするようになると、お金に興味がないとも言っていられなくなった。
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