医薬経済オンライン

医療・医薬業界をさまざまな視点・論点から示すメディア

そこが知りたい はい、いでがわですが

臨床研究と患者の人権

第6シリーズ⑤ 知らされなかった有害事象情報

ジャーナリスト 出河雅彦

2023年7月15日号

東京大学医科学研究所  東京大学医科学研究所が開発したがんペプチドワクチンを使った附属病院での臨床試験で被験者に起きた消化管出血を「重篤な有害事象」と院内で報告するとともに、臨床試験実施計画書を改訂して消化管出血の恐れのある患者を被験者から外したにもかかわらず、東大医科研が同種のペプチドを提供する他の病院に知らせていなかったことを報道した2010年10月15日付朝日新聞朝刊の記事掲載から約2ヵ月後の同年12月8日のことだ。  東大医科研ヒトゲノム解析センター長の中村祐輔教授(当時)と中村教授の研究成果の実用化を目的に01年に設立されたベンチャー企業であるオンコセラピー・サイエンスは、記事で名誉を傷つけられたとして、朝日新聞社並びに記事を執筆した筆者、野呂雅之記者を相手取り、総額2億円の損害賠償と謝罪広告の掲載を求める訴えを東京... 東京大学医科学研究所  東京大学医科学研究所が開発したがんペプチドワクチンを使った附属病院での臨床試験で被験者に起きた消化管出血を「重篤な有害事象」と院内で報告するとともに、臨床試験実施計画書を改訂して消化管出血の恐れのある患者を被験者から外したにもかかわらず、東大医科研が同種のペプチドを提供する他の病院に知らせていなかったことを報道した2010年10月15日付朝日新聞朝刊の記事掲載から約2ヵ月後の同年12月8日のことだ。  東大医科研ヒトゲノム解析センター長の中村祐輔教授(当時)と中村教授の研究成果の実用化を目的に01年に設立されたベンチャー企業であるオンコセラピー・サイエンスは、記事で名誉を傷つけられたとして、朝日新聞社並びに記事を執筆した筆者、野呂雅之記者を相手取り、総額2億円の損害賠償と謝罪広告の掲載を求める訴えを東京地

有料会員限定

会員登録(有料)
この記事をお読みいただくためには、会員登録(有料)が必要です。
新規会員登録とマイページ > 購読情報から購入手続きをお願いいたします。
※IDをお持ちの方はログインからお進みください

【会員登録方法】
会員登録をクリックしていただくと、新規会員仮登録メール送信画面に移動します。
メールアドレスを入力して会員登録をお願い致します。
1ユーザーごとの登録をお願い致します。(1ユーザー1アカウントです)

googleAdScence