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家計簿目線の医療経済 コスパ患者学

胃酸抑制剤ボノプラザン:個別のコスパは悪くないが…

第24回

黒澤 恵

2023年7月15日号

 薬剤の費用対効果(コスパ)を検討する本連載、今回は胃酸抑制剤を取り上げる。  現在国内市場で圧倒的な売上げを誇るのは、カリウムイオン競合型アシッドブロッカー(P—CAB)の「ボノプラザン」(VPZ)。従来のプロトンポンプ阻害薬(PPI)を上回る薬効や特性があるとして急成長。ここ数年の売上高は年間1000億円を超える。  ではPPIに比べどれほど優れているのか。まず「消化性潰瘍診療ガイドライン2020」(日本消化器病学会)で第一選択薬に位置付けられているヘリコバクター・ピロリ1次除菌から見てみよう。アモキシシリン・クラリスロマイシン2剤併用にVPZかPPIを追加したランダム化試験をメタ解析によれば、除菌率はVPZ追加で91.2%、PPIでは74.4%だった(同ガイドライン)。治療効率の指標であるNNT(必要治療者数)を算出すると「6」となる。VPZを処方された6人中5...  薬剤の費用対効果(コスパ)を検討する本連載、今回は胃酸抑制剤を取り上げる。  現在国内市場で圧倒的な売上げを誇るのは、カリウムイオン競合型アシッドブロッカー(P—CAB)の「ボノプラザン」(VPZ)。従来のプロトンポンプ阻害薬(PPI)を上回る薬効や特性があるとして急成長。ここ数年の売上高は年間1000億円を超える。  ではPPIに比べどれほど優れているのか。まず「消化性潰瘍診療ガイドライン2020」(日本消化器病学会)で第一選択薬に位置付けられているヘリコバクター・ピロリ1次除菌から見てみよう。アモキシシリン・クラリスロマイシン2剤併用にVPZかPPIを追加したランダム化試験をメタ解析によれば、除菌率はVPZ追加で91.2%、PPIでは74.4%だった(同ガイドライン)。治療効率の指標であるNNT(必要治療者数)を算出すると「6」となる。VPZを処方された6人中5人

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