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Dear Tomorrow 新しいヘルスケアマーケティング

小児がん治療薬「実臨床」への応用①

第119回 欧米から離されている日本

ジョージメイスン大学大学院(バージニア州)パブリックヘルス専攻  堀玲子

2023年7月15日号

 日本で承認済の小児用薬剤は欧米に比べ少ない。疾患は幅広いが患者数が少なく利益が出にくいから、との分析がある。実際、コストがかかる小児用薬はビジネス的に停滞しているようだ。実際、22年3月時点で日本で小児がんを対象とした臨床試験は38件。米国321件。EU168件となっている。もちろん、成人の用量を単純に小児の年齢などから用量設定できない難しさに加え、代謝排泄の問題、安全性も試験後初めてわかるといった課題も多い。  今回から、とくに日本で小児がん治療薬が置かれている現状と将来について考察したい。  小児がん治療を取り巻く環境が大きく変わったのは17年。米国でがんの分子標的薬を開発する際は小児用も同時に進めることを義務付ける「子どものための治療と公平性を加速する研究法」(RACE法)の成立が契機だ。小児がんの原因となる遺伝子変異はリスト...  日本で承認済の小児用薬剤は欧米に比べ少ない。疾患は幅広いが患者数が少なく利益が出にくいから、との分析がある。実際、コストがかかる小児用薬はビジネス的に停滞しているようだ。実際、22年3月時点で日本で小児がんを対象とした臨床試験は38件。米国321件。EU168件となっている。もちろん、成人の用量を単純に小児の年齢などから用量設定できない難しさに加え、代謝排泄の問題、安全性も試験後初めてわかるといった課題も多い。  今回から、とくに日本で小児がん治療薬が置かれている現状と将来について考察したい。  小児がん治療を取り巻く環境が大きく変わったのは17年。米国でがんの分子標的薬を開発する際は小児用も同時に進めることを義務付ける「子どものための治療と公平性を加速する研究法」(RACE法)の成立が契機だ。小児がんの原因となる遺伝子変異はリスト化

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