薬のおカネを議論しよう
乳腺外科医として製薬企業と付き合うアンビバレンス
第93回
医療ガバナンス研究所医師 尾崎章彦
2023年7月15日号
節操がない。製薬企業に対しての筆者の実感だ。筆者は18年に、福島県いわき市で乳腺外科を立ち上げ、現在では、県内でも指折りの規模となった。その結果、〝喜ばしいことに〟彼らからのアプローチが増えている。ついに、筆者も、彼らのお眼鏡に適ったわけだ。
驚いたのが、6月下旬に実施された第31回日本乳癌学会の学術集会だ。筆者のポスター前に見慣れた顔があると思ったら、第一三共の担当者だった。事前に発表時間を調べて、わざわざポスター発表を聞きに来てくれたのだ。
「楽しみにしていました」と笑顔を浮かべる彼は、まさにMRの鑑。そんなあからさまなおべんちゃらを冷静に受け流すことは、日頃製薬マネー問題を批判している人間として、最低限の嗜みである。
ところがだ。自身の取り組みに関心を寄せてもらえば、素直に嬉しく思ってしまうのも人情...
節操がない。製薬企業に対しての筆者の実感だ。筆者は18年に、福島県いわき市で乳腺外科を立ち上げ、現在では、県内でも指折りの規模となった。その結果、〝喜ばしいことに〟彼らからのアプローチが増えている。ついに、筆者も、彼らのお眼鏡に適ったわけだ。
驚いたのが、6月下旬に実施された第31回日本乳癌学会の学術集会だ。筆者のポスター前に見慣れた顔があると思ったら、第一三共の担当者だった。事前に発表時間を調べて、わざわざポスター発表を聞きに来てくれたのだ。
「楽しみにしていました」と笑顔を浮かべる彼は、まさにMRの鑑。そんなあからさまなおべんちゃらを冷静に受け流すことは、日頃製薬マネー問題を批判している人間として、最低限の嗜みである。
ところがだ。自身の取り組みに関心を寄せてもらえば、素直に嬉しく思ってしまうのも人情であ
有料会員限定
会員登録(有料)
この記事をお読みいただくためには、会員登録(有料)が必要です。
新規会員登録とマイページ > 購読情報から購入手続きをお願いいたします。
※IDをお持ちの方はログインからお進みください
【会員登録方法】
会員登録をクリックしていただくと、新規会員仮登録メール送信画面に移動します。
メールアドレスを入力して会員登録をお願い致します。
1ユーザーごとの登録をお願い致します。(1ユーザー1アカウントです)
ログイン
会員登録