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エルデカルシトール:ガイドライン推奨度は高くないのに…

第25回

黒澤 恵

2023年8月1日号

 治療必要数(NNT)、つまりある治療が奏効するまでにどれほどの治療者数が必要か、逆に言えば1例で奏効するために何例の無効例を受容すべきかという観点から治療の費用対効果を検討する本連載。今回は骨粗鬆症治療薬でひとつだけ残っていた、活性型ビタミンD誘導体である「エルデカルシトール」を取り上げる。  現在は後発品が登場したため売上げも減りつつあるが、数年前までは年間で350億円を超えていた。なぜそこまで頻用されるのか。その根拠を「骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン2015年版」(骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン作成委員会編)に求めてみた。すると「大腿骨近位部骨折」については「抑制するとの報告はない」とされ、「椎体骨折」でも「抑制する」とされる一方、「骨折高リスク例にどのような治療薬を選択するか」というクリニカル・クエスチョンに対する回答では、椎...  治療必要数(NNT)、つまりある治療が奏効するまでにどれほどの治療者数が必要か、逆に言えば1例で奏効するために何例の無効例を受容すべきかという観点から治療の費用対効果を検討する本連載。今回は骨粗鬆症治療薬でひとつだけ残っていた、活性型ビタミンD誘導体である「エルデカルシトール」を取り上げる。  現在は後発品が登場したため売上げも減りつつあるが、数年前までは年間で350億円を超えていた。なぜそこまで頻用されるのか。その根拠を「骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン2015年版」(骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン作成委員会編)に求めてみた。すると「大腿骨近位部骨折」については「抑制するとの報告はない」とされ、「椎体骨折」でも「抑制する」とされる一方、「骨折高リスク例にどのような治療薬を選択するか」というクリニカル・クエスチョンに対する回答では、椎体

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