医薬経済オンライン

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現場が望む社会保障制度

約40年前の「こじらせ案件」を振り返る

第99回

ニッセイ基礎研究所主任研究員 三原 岳

2023年8月1日号

 筆者は前職時代、医療政策について、15年に亡くなった郡司篤晃氏の指導を受けた。郡司氏は厚生省(当時)の医系技官として、「薬害エイズ」問題で世間の指弾を受けたが、もともとは医療計画制度などで実績を残した研究者であり、約40年前に頓挫した「家庭医」構想にも関わっていた。  そんな郡司氏から生前、家庭医構想について、「懇談会のとき、松石って日本医師会の人が物言いを付けたんだよね」という呟きを聞いたことがある。この呟きは筆者の頭に強く残っており、かかりつけ医をめぐる今回の議論でも何度か思い出す機会があった。かかりつけ医の決着を考える第3回では、郡司氏の呟きやいくつかの史料を手掛かりにしつつ、約40年前の「こじらせ案件」が議論に及ぼした影響などを考察する。  郡司氏が呟いた「懇談会」とは85年に発足した「家庭医に関する懇談会」を指す...  筆者は前職時代、医療政策について、15年に亡くなった郡司篤晃氏の指導を受けた。郡司氏は厚生省(当時)の医系技官として、「薬害エイズ」問題で世間の指弾を受けたが、もともとは医療計画制度などで実績を残した研究者であり、約40年前に頓挫した「家庭医」構想にも関わっていた。  そんな郡司氏から生前、家庭医構想について、「懇談会のとき、松石って日本医師会の人が物言いを付けたんだよね」という呟きを聞いたことがある。この呟きは筆者の頭に強く残っており、かかりつけ医をめぐる今回の議論でも何度か思い出す機会があった。かかりつけ医の決着を考える第3回では、郡司氏の呟きやいくつかの史料を手掛かりにしつつ、約40年前の「こじらせ案件」が議論に及ぼした影響などを考察する。  郡司氏が呟いた「懇談会」とは85年に発足した「家庭医に関する懇談会」を指す。

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