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「ゲノム医療推進法」に強く求められるもの

近藤正觀

2023年8月1日号

 6月9日、遺伝情報に基づき患者に応じた治療を推進することなどを盛り込んだ「ゲノム医療推進法」が参院本会議で賛成多数で可決・成立した。  ゲノムとは生物が持つ遺伝情報のことで、体をつくるタンパク質の種類を指定する遺伝子と遺伝子の働きを制御する情報が含まれている。「DNAの塩基配列で決められた遺伝情報が記録された遺伝子を含む全遺伝情報」ということだ。現代は2人に1人が「がん」に罹患するが、がんは細胞の新陳代謝が正確になされず、遺伝子の異常伝達によって、新たな組織のコピー細胞をつくれない疾患である。  ゲノムの解析は90年代から世界が取り組み、03年には約32億の塩基配列ヒトゲノムのほとんどを解析できた。そして、遺伝子部分はその2.6%に過ぎず、残りはタンパク質作成を直接指定しない領域だったことがわかっている。ゲノムの解析は患者の体質...  6月9日、遺伝情報に基づき患者に応じた治療を推進することなどを盛り込んだ「ゲノム医療推進法」が参院本会議で賛成多数で可決・成立した。  ゲノムとは生物が持つ遺伝情報のことで、体をつくるタンパク質の種類を指定する遺伝子と遺伝子の働きを制御する情報が含まれている。「DNAの塩基配列で決められた遺伝情報が記録された遺伝子を含む全遺伝情報」ということだ。現代は2人に1人が「がん」に罹患するが、がんは細胞の新陳代謝が正確になされず、遺伝子の異常伝達によって、新たな組織のコピー細胞をつくれない疾患である。  ゲノムの解析は90年代から世界が取り組み、03年には約32億の塩基配列ヒトゲノムのほとんどを解析できた。そして、遺伝子部分はその2.6%に過ぎず、残りはタンパク質作成を直接指定しない領域だったことがわかっている。ゲノムの解析は患者の体質や治

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