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間違いだらけのHTA

レカネマブ「フル承認」とよくある誤解

第97回

横浜市立大学医学群健康社会医学ユニット東京大学大学院薬学系研究科医薬政策学 五十嵐中

2023年8月1日号

 日本でも報じられたように、FDA(米国食品医薬品局)は7月6日、エーザイと米バイオジェンのアルツハイマー病(AD)治療薬「レカネマブ」(米国商品名レケンビ)をフル承認に転換した。CLARITY AD試験(第Ⅲ相のランダム化比較試験)によって、1月の迅速承認で要求されていた「臨床的ベネフィットの証明」が達成されたと判断しての措置だ。  前回(7月1日号)紹介したように、高齢者の公的保険メディケアを司るCMS(メディケア・メディケイド・サービスセンター)は、βアミロイド系の認知症薬全体に設けていた「臨床研究参加者に限って給付する」趣旨の制限を、FDAのフル承認が得られれば緩和すると表明していた。  実際にフル承認が得られた当日にCMSもリリース(※1)を出し、レカネマブについては実質的には処方医による患者登録があれば給付を行うことを表明した。今回は、...  日本でも報じられたように、FDA(米国食品医薬品局)は7月6日、エーザイと米バイオジェンのアルツハイマー病(AD)治療薬「レカネマブ」(米国商品名レケンビ)をフル承認に転換した。CLARITY AD試験(第Ⅲ相のランダム化比較試験)によって、1月の迅速承認で要求されていた「臨床的ベネフィットの証明」が達成されたと判断しての措置だ。  前回(7月1日号)紹介したように、高齢者の公的保険メディケアを司るCMS(メディケア・メディケイド・サービスセンター)は、βアミロイド系の認知症薬全体に設けていた「臨床研究参加者に限って給付する」趣旨の制限を、FDAのフル承認が得られれば緩和すると表明していた。  実際にフル承認が得られた当日にCMSもリリース(※1)を出し、レカネマブについては実質的には処方医による患者登録があれば給付を行うことを表明した。今回は、給

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