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臨床研究と患者の人権

第7シリーズ① 臨床研究の不祥事はなぜなくならないか

ジャーナリスト 出河雅彦

2023年8月1日号

 本連載ではこれまで、臨床研究の被験者となった患者の人権侵害などが問題になった6つの事例を検証してきた。  日本における臨床研究の管理に関する施策や法制度整備の経緯を振り返ると、厚生省が1990年に「医薬品の臨床試験の実施に関する基準(GCP)」を定めている。これは、製薬企業による動物実験データの隠蔽や、臨床試験データの捏造などの不祥事が1980年代に続発したことを受けたもので、法的な根拠のない薬務局長通知だった。  その後、GCPは薬事法に基づく省令に引き上げられ、強制力を持つことになった。きっかけは、帯状疱疹治療薬ソリブジンが1993年に発売された直後に抗がん剤と併用した患者15人が死亡するという薬害だった。この薬害では、開発段階で行われた臨床試験(治験)で3人の被験者が死亡していたのに、そのうち2人については製薬企業から国への報告が...  本連載ではこれまで、臨床研究の被験者となった患者の人権侵害などが問題になった6つの事例を検証してきた。  日本における臨床研究の管理に関する施策や法制度整備の経緯を振り返ると、厚生省が1990年に「医薬品の臨床試験の実施に関する基準(GCP)」を定めている。これは、製薬企業による動物実験データの隠蔽や、臨床試験データの捏造などの不祥事が1980年代に続発したことを受けたもので、法的な根拠のない薬務局長通知だった。  その後、GCPは薬事法に基づく省令に引き上げられ、強制力を持つことになった。きっかけは、帯状疱疹治療薬ソリブジンが1993年に発売された直後に抗がん剤と併用した患者15人が死亡するという薬害だった。この薬害では、開発段階で行われた臨床試験(治験)で3人の被験者が死亡していたのに、そのうち2人については製薬企業から国への報告がな

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