戦争をどのように終えるべきか | 医薬経済オンライン

平時医療体制の破綻に備える〜電光石火こそ最良の有事医療〜

戦争をどのように終えるべきか

第178回

埼玉県国民保護協議会委員　照井資規

2023年8月15日号

　戦争は始めるよりも終えるほうがはるかに難しい。人を殺し、殺されもする。機械により殺されるようにもなった。人の怒りや恐怖などの感情は制御が難しいからだ。　表の左側にあるように、国家の防衛組織（軍隊）が実効力のあるうちに戦争を終結させることが望ましい。国民の総意がまとまるまで、相当な日数と犠牲を要するが、侵略に対して手痛い抵抗を続けることで、自国の要求がある程度認められた状態で戦後社会を築いていけるからだ。　ロシアのウクライナ侵攻直後に「すぐに降伏すべき」との意見もよく聞かれたが、正規軍を解体して傀儡政権を立ててしまった場合、元軍人達が「反政府組織」となってゲリラ戦を展開するようになる。　戦闘地域とは、地域を取り合う前線や、経済的損失を与える政経中枢都市中心部への攻撃場面であり、侵略され... 　戦争は始めるよりも終えるほうがはるかに難しい。人を殺し、殺されもする。機械により殺されるようにもなった。人の怒りや恐怖などの感情は制御が難しいからだ。　表の左側にあるように、国家の防衛組織（軍隊）が実効力のあるうちに戦争を終結させることが望ましい。国民の総意がまとまるまで、相当な日数と犠牲を要するが、侵略に対して手痛い抵抗を続けることで、自国の要求がある程度認められた状態で戦後社会を築いていけるからだ。　ロシアのウクライナ侵攻直後に「すぐに降伏すべき」との意見もよく聞かれたが、正規軍を解体して傀儡政権を立ててしまった場合、元軍人達が「反政府組織」となってゲリラ戦を展開するようになる。　戦闘地域とは、地域を取り合う前線や、経済的損失を与える政経中枢都市中心部への攻撃場面であり、侵略されてい

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