英ＮＩＣＥ、初のＡＩ技術の評価

間違いだらけのＨＴＡ

英ＮＩＣＥ、初のＡＩ技術の評価

第98回

横浜市立大学医学群健康社会医学ユニット東京大学大学院薬学系研究科医薬政策学　五十嵐中

2023年9月1日号

　英国NICEは8月11日、がんの放射線治療前に行う輪郭描画（コンツーリング）の補助として、9種類のAI技術の使用を「推奨」する暫定ガイダンスを出した。9種の技術はデジタル技術としての承認を取得することを前提に、実臨床での使用が可能になる。AI技術の領域では、NICEが初めて出すガイダンスとなる。　今回のガイダンスは、通常の治療薬で話題になるTA（Technology Appralsal＝技術評価）ではなく、EVA（Early Value Assessment）の枠組みで出されたものである。　もともとEVAは、AIに代表されるデジタル技術などについて、アンメットニーズの大きさ・既存のエビデンスの整備状況・エビデンスギャップの3つの観点からの整理を行いつつ、迅速にNHS（国民保健サービス）のもとでの使用についての推奨を出すことを目的とする。経済評価の項も含まれるが、通常のTAのような精緻... 　英国NICEは8月11日、がんの放射線治療前に行う輪郭描画（コンツーリング）の補助として、9種類のAI技術の使用を「推奨」する暫定ガイダンスを出した。9種の技術はデジタル技術としての承認を取得することを前提に、実臨床での使用が可能になる。AI技術の領域では、NICEが初めて出すガイダンスとなる。　今回のガイダンスは、通常の治療薬で話題になるTA（Technology Appralsal＝技術評価）ではなく、EVA（Early Value Assessment）の枠組みで出されたものである。　もともとEVAは、AIに代表されるデジタル技術などについて、アンメットニーズの大きさ・既存のエビデンスの整備状況・エビデンスギャップの3つの観点からの整理を行いつつ、迅速にNHS（国民保健サービス）のもとでの使用についての推奨を出すことを目的とする。経済評価の項も含まれるが、通常のTAのような精緻な

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