医薬経済オンライン

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現場が望む社会保障制度

知られざる「かかりつけ医モデル事業」から見える方向性

第100回

ニッセイ基礎研究所主任研究員 三原 岳

2023年9月1日号

 22年末に決着した「かかりつけ医機能」の制度整備では、身近な病気やケガへの対応、在宅医療の充実、介護との連携などの現状を地域単位で可視化するとともに、都道府県や地域医師会が協議しつつ、不足する機能を充足させることになった。つまり、国によるトップダウンの制度改正ではなく、医療界と自治体のボトムアップによる自治と実践が期待されている。  しかし、「地域の自治と実践だけで十分なのか」という疑問も持っている。実際、こうした取り組みは今回が初めてではない。約30年前に実施された「かかりつけ医推進モデル事業」では、地域医師会の実践を通じて、住民からの健康相談や病院―診療所連携などを強化しようとしたが、これらの取り組みが持続的かつ全国的に展開されたとは考えにくく、現在の制度改正論議などで耳にする機会は少ない。  かかりつけ医の制度整...  22年末に決着した「かかりつけ医機能」の制度整備では、身近な病気やケガへの対応、在宅医療の充実、介護との連携などの現状を地域単位で可視化するとともに、都道府県や地域医師会が協議しつつ、不足する機能を充足させることになった。つまり、国によるトップダウンの制度改正ではなく、医療界と自治体のボトムアップによる自治と実践が期待されている。  しかし、「地域の自治と実践だけで十分なのか」という疑問も持っている。実際、こうした取り組みは今回が初めてではない。約30年前に実施された「かかりつけ医推進モデル事業」では、地域医師会の実践を通じて、住民からの健康相談や病院―診療所連携などを強化しようとしたが、これらの取り組みが持続的かつ全国的に展開されたとは考えにくく、現在の制度改正論議などで耳にする機会は少ない。  かかりつけ医の制度整備

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