明日への警鐘「苦悩する介護者たち」ー介護保険制度の空白地帯に苦しむ現実ー
社会情勢と共に変わるケアラー像
第1回 ケアラーの置かれた複雑な状況
熊田梨恵
2023年9月1日号
24年度は診療報酬と障害福祉サービス等報酬とともに改定が控える介護報酬改定。少子超高齢化社会で将来にわたり制度を維持するための重要な改定となる。一方、日本の介護保険制度でほぼ見落とされているのが介護者(ケアラー)への支援だ。ケアラーの置かれた現状と抱える課題、現場の取り組みを取材すると、看過できない現実が浮かび上がる。
◇ ◇ ◇
「妻をひとりで家に置いておくと何があるかわからないので、仕事先に妻を連れて行っていました。先方が気を使って下さり、商談の場で、妻が一番いい椅子に座っていたということもありましたね」。
少し笑いながらこう話すのは、大阪府内に住む白波瀬岩雄さん(76歳)。夫婦二人暮らしで、妻の園代さん(76歳)の介護をずっと続けている。園代さんがアルツハイマー型認知症と診断された17年以前から症...
24年度は診療報酬と障害福祉サービス等報酬とともに改定が控える介護報酬改定。少子超高齢化社会で将来にわたり制度を維持するための重要な改定となる。一方、日本の介護保険制度でほぼ見落とされているのが介護者(ケアラー)への支援だ。ケアラーの置かれた現状と抱える課題、現場の取り組みを取材すると、看過できない現実が浮かび上がる。
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「妻をひとりで家に置いておくと何があるかわからないので、仕事先に妻を連れて行っていました。先方が気を使って下さり、商談の場で、妻が一番いい椅子に座っていたということもありましたね」。
少し笑いながらこう話すのは、大阪府内に住む白波瀬岩雄さん(76歳)。夫婦二人暮らしで、妻の園代さん(76歳)の介護をずっと続けている。園代さんがアルツハイマー型認知症と診断された17年以前から症状が
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