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家計簿目線の医療経済 コスパ患者学

ダパグリフロジン:12万円負担しても大血管症は偽薬と差なし

第27回

黒澤 恵

2023年9月1日号

 日本でも血糖降下薬に占めるSGLT2阻害薬の割合が増えている。DPP―4阻害薬とは異なり、薬剤によっては大血管症抑制エビデンスがあるからだろう。躍進著しいのが「ダパグリフロジン」だ。 SGLT2阻害薬としてはトップの売上げを誇る。しかし、それに見合う恩恵を患者は受けられるのか。検証したい。  2型糖尿病患者に対するダパグリフロジンの大血管症(心臓血管系疾患)抑制作用エビデンスは、大規模無作為化比較試験〝DECLARE―TIMI58〟である(NEJM.2019;380:347)。心臓血管系疾患のリスクが高い2型糖尿病患者1万7000人余をダパグリフロジン群と偽薬群に振り分け、4.2年間(中央値)観察した。しかし、ダパグリフロジンは主要評価項目である心臓血管系疾患(心臓血管系疾患による死亡・心筋梗塞・脳梗塞)を抑制しなかった。偽薬群と差がなかったのだ。つまりこの薬を飲むと血糖値は確か...  日本でも血糖降下薬に占めるSGLT2阻害薬の割合が増えている。DPP―4阻害薬とは異なり、薬剤によっては大血管症抑制エビデンスがあるからだろう。躍進著しいのが「ダパグリフロジン」だ。 SGLT2阻害薬としてはトップの売上げを誇る。しかし、それに見合う恩恵を患者は受けられるのか。検証したい。  2型糖尿病患者に対するダパグリフロジンの大血管症(心臓血管系疾患)抑制作用エビデンスは、大規模無作為化比較試験〝DECLARE―TIMI58〟である(NEJM.2019;380:347)。心臓血管系疾患のリスクが高い2型糖尿病患者1万7000人余をダパグリフロジン群と偽薬群に振り分け、4.2年間(中央値)観察した。しかし、ダパグリフロジンは主要評価項目である心臓血管系疾患(心臓血管系疾患による死亡・心筋梗塞・脳梗塞)を抑制しなかった。偽薬群と差がなかったのだ。つまりこの薬を飲むと血糖値は確かに下

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