薬のおカネを議論しよう
奨学寄附金、その現実と将来
第97回
医療ガバナンス研究所医師 尾崎章彦
2023年9月15日号
23年7月27日の姉妹紙RISFAXに、「24年度より、中外製薬を除く大手製薬企業が、奨学寄附金を廃止する」という記事が掲載された。
「奨学寄附金は、医局の運営になくてはならない」とは、大学病院で働く友人の弁である。実際、奨学寄附金は、スタッフの人件費や備品の購入等、大学医局や研究室の運営を助けてきた。製薬企業関係者も、「なくなると困るのは先生方ですよ」と語る。一方で、グレーな商慣行としてたびたび問題となってきたのも事実である。例として、古くはディオバン事件、近年では、小野薬品と三重大学臨床麻酔部をめぐる不祥事が挙げられる。
ただ、奨学寄附金の実際の規模や特徴に関して、データに基づいた議論は十分に尽くされていない。そこで、今回、筆者らのグループは、17年度に製薬企業から支払われた奨学寄附金について分析し、医療政策領域の国際学術...
23年7月27日の姉妹紙RISFAXに、「24年度より、中外製薬を除く大手製薬企業が、奨学寄附金を廃止する」という記事が掲載された。
「奨学寄附金は、医局の運営になくてはならない」とは、大学病院で働く友人の弁である。実際、奨学寄附金は、スタッフの人件費や備品の購入等、大学医局や研究室の運営を助けてきた。製薬企業関係者も、「なくなると困るのは先生方ですよ」と語る。一方で、グレーな商慣行としてたびたび問題となってきたのも事実である。例として、古くはディオバン事件、近年では、小野薬品と三重大学臨床麻酔部をめぐる不祥事が挙げられる。
ただ、奨学寄附金の実際の規模や特徴に関して、データに基づいた議論は十分に尽くされていない。そこで、今回、筆者らのグループは、17年度に製薬企業から支払われた奨学寄附金について分析し、医療政策領域の国際学術雑
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