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ダパグリフロジンの腎保護作用 NNTは「12」?8「112」?

第28回

黒澤 恵

2023年9月15日号

 薬剤の費用対効果を薬剤費とNNT(*)で評価する本連載、今回も引き続きSGLT2阻害薬であるダパグリフロジンを取り上げる。年間500億円以上を売り上げる、SGLT2阻害薬のトップランナーだ。このダパグリフロジン、2型糖尿病の大血管症(心臓血管系疾患)抑制作用は偽薬と差がないのは前回記事のとおりだが、血糖低下薬ではなく「慢性腎臓病」治療薬という一面も持つ。この場合、2型糖尿病合併の有無は問わない。そのため「腎保護作用」を期待した処方も多いと思われる。ではダパグリフロジンにはどのような腎保護エビデンスがあるのか。  最も信頼性が高いのは大規模試験“DAPA―CKD”だ(①)。推算糸球体濾過率(eGFR)が75%以下の4千300例強がダパグリフロジン群と偽薬群に無作為化された。その結果、主要評価項目である「重篤な腎機能低下、あるいは心疾患・腎疾患による死亡」はダパグリ...  薬剤の費用対効果を薬剤費とNNT(*)で評価する本連載、今回も引き続きSGLT2阻害薬であるダパグリフロジンを取り上げる。年間500億円以上を売り上げる、SGLT2阻害薬のトップランナーだ。このダパグリフロジン、2型糖尿病の大血管症(心臓血管系疾患)抑制作用は偽薬と差がないのは前回記事のとおりだが、血糖低下薬ではなく「慢性腎臓病」治療薬という一面も持つ。この場合、2型糖尿病合併の有無は問わない。そのため「腎保護作用」を期待した処方も多いと思われる。ではダパグリフロジンにはどのような腎保護エビデンスがあるのか。  最も信頼性が高いのは大規模試験“DAPA―CKD”だ(①)。推算糸球体濾過率(eGFR)が75%以下の4千300例強がダパグリフロジン群と偽薬群に無作為化された。その結果、主要評価項目である「重篤な腎機能低下、あるいは心疾患・腎疾患による死亡」はダパグリフロ

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