医工連携
健常者のうつ度を脳波から推定
医工連携の実践者100 森田昌彦 筑波大学教授
2023年10月1日号
うつ病などメンタルヘルス不調に悩む人が世界中で増え続けて社会問題化しており、それに対して現在の医療は非力だ。
症状を主観と切り離せない特殊性はあるにせよ、現状のメンタルヘルス評価はPHQ―9やGAD―7のような質問紙を使った主観的回答に依存し過ぎていて、客観的指標が不足しているため、自然科学の特長である普遍性や再現性を期待できず、つまり科学を武器として活用できていないことの影響は大きいだろう。
そしてコインの裏表として、病気の兆しを客観的に捉えられないため、本人が「気のせいかも」と思っているうちに深刻な状態になってしまって、ますます医療が非力に映るということもありそうだ。
精神医療の蓄積を生かしつつ課題を解決していく第一歩は、これまで調べられてきた精神状態の主観と客観的データを結び付けることだろう。
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うつ病などメンタルヘルス不調に悩む人が世界中で増え続けて社会問題化しており、それに対して現在の医療は非力だ。
症状を主観と切り離せない特殊性はあるにせよ、現状のメンタルヘルス評価はPHQ―9やGAD―7のような質問紙を使った主観的回答に依存し過ぎていて、客観的指標が不足しているため、自然科学の特長である普遍性や再現性を期待できず、つまり科学を武器として活用できていないことの影響は大きいだろう。
そしてコインの裏表として、病気の兆しを客観的に捉えられないため、本人が「気のせいかも」と思っているうちに深刻な状態になってしまって、ますます医療が非力に映るということもありそうだ。
精神医療の蓄積を生かしつつ課題を解決していく第一歩は、これまで調べられてきた精神状態の主観と客観的データを結び付けることだろう。
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