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検証 医薬品と[特許]

後発品とその紛争―その2(パシーフカプセル事件とアバスチン事件)

第21回

元大阪大学大学院 経済学研究科講師 西口博之

2023年10月15日号

 特許権の存続期間は、その特許出願の日から20年をもって終了する(特許法67条)。ただ、医薬品などの分野では、安全性の確保を目的とする法律の規定により、許可を得るのに所用の実験・審査に相当の長期間を要し、その間はたとえ特許権が存続していても権利の専有による利益を受けられない問題が生じてしまう。そのため、5年を限度として延長登録の出願によって延長ができる。  この医薬品の特許延長制度をめぐって、特許庁が敗訴した訴訟がある。武田薬品の「パシーフカプセル事件」だ。武田薬品が成分と効能が同じ製品があった場合に、特許の延長が認められないとする特許庁の運用は不当であるとし、審決の取消しを主張。最高裁判所は11年4月に武田側の主張を認め、09年5月に審決を取り消した知的財産高等裁判所の判決を支持し、特許庁の上告を棄却した。  これを受け、特...  特許権の存続期間は、その特許出願の日から20年をもって終了する(特許法67条)。ただ、医薬品などの分野では、安全性の確保を目的とする法律の規定により、許可を得るのに所用の実験・審査に相当の長期間を要し、その間はたとえ特許権が存続していても権利の専有による利益を受けられない問題が生じてしまう。そのため、5年を限度として延長登録の出願によって延長ができる。  この医薬品の特許延長制度をめぐって、特許庁が敗訴した訴訟がある。武田薬品の「パシーフカプセル事件」だ。武田薬品が成分と効能が同じ製品があった場合に、特許の延長が認められないとする特許庁の運用は不当であるとし、審決の取消しを主張。最高裁判所は11年4月に武田側の主張を認め、09年5月に審決を取り消した知的財産高等裁判所の判決を支持し、特許庁の上告を棄却した。  これを受け、特許

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