医工連携
脳を優しく密に覆える薄膜電極
医工連携の実践者102 藤枝俊宣 東京工業大学准教授
2023年11月1日号
脳神経細胞の異常な活動で発作が起きる「てんかん」の治療は、この異常な活動を抑制して発作頻度や重症度の減少をめざす。最初に試される薬物療法が奏効しなかった場合は、異常な活動をしている局部を外科手術で切除したり、局部を電気刺激したりする。
つまり薬で手に負えない場合、異常な活動の部位を正確に知ることが大切だ。頭蓋骨と表皮越しでは正確に把握できないため、硬膜下の脳表面に電極を置いて計測することになる。しかし市販されている硬膜下電極は、硬さや厚さの面でズレやすかったり脳に負担をかけたりすることがあり、より薄く柔らかい電極が求められてきた。
この領域で9月、『Advanced Materials Technologies』誌に、市販電極の1割にも満たない厚さ8㎛でラップのように脳を優しく覆えるエラストマー製薄膜状硬膜下電極を開発したとの論文が掲載された...
脳神経細胞の異常な活動で発作が起きる「てんかん」の治療は、この異常な活動を抑制して発作頻度や重症度の減少をめざす。最初に試される薬物療法が奏効しなかった場合は、異常な活動をしている局部を外科手術で切除したり、局部を電気刺激したりする。
つまり薬で手に負えない場合、異常な活動の部位を正確に知ることが大切だ。頭蓋骨と表皮越しでは正確に把握できないため、硬膜下の脳表面に電極を置いて計測することになる。しかし市販されている硬膜下電極は、硬さや厚さの面でズレやすかったり脳に負担をかけたりすることがあり、より薄く柔らかい電極が求められてきた。
この領域で9月、『Advanced Materials Technologies』誌に、市販電極の1割にも満たない厚さ8㎛でラップのように脳を優しく覆えるエラストマー製薄膜状硬膜下電極を開発したとの論文が掲載された。開
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