医薬経済オンライン

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薬のおカネを議論しよう

GLP−1ダイエットを巡る諸問題

第100回

医療ガバナンス研究所医師  谷本哲也

2023年11月1日号

 糖尿病治療のグルカゴン様ペプチド―1(GLP―1)受容体作動薬を使用した肥満症治療が世界的な話題となっている。日本でも自費診療でダイエット目的の利用者が急増し、本来の糖尿病治療に使うはずの製品が品薄となり、日本医師会などで適応外使用の差し控えを求める声も上がっている。  しかし現代では、肥満症は健康リスクを増大させるだけでなく、生活の質にも影響を及ぼす深刻な問題として認識されるようになった。過去50年にわたり、世界的に肥満人口は増大し公衆衛生学上のリスクとして挙げられるようになり、肥満対策の社会的重要性が高まっていることは認めざるを得ない。  GLP―1受容体作動薬はもともと2型糖尿病の治療目的で開発されたが、臨床試験中に食欲減少という興味深い作用が見つかったのが始まりだ。この発見は、GLP―1が食欲調節に関わる脳領域にも作用するこ...  糖尿病治療のグルカゴン様ペプチド―1(GLP―1)受容体作動薬を使用した肥満症治療が世界的な話題となっている。日本でも自費診療でダイエット目的の利用者が急増し、本来の糖尿病治療に使うはずの製品が品薄となり、日本医師会などで適応外使用の差し控えを求める声も上がっている。  しかし現代では、肥満症は健康リスクを増大させるだけでなく、生活の質にも影響を及ぼす深刻な問題として認識されるようになった。過去50年にわたり、世界的に肥満人口は増大し公衆衛生学上のリスクとして挙げられるようになり、肥満対策の社会的重要性が高まっていることは認めざるを得ない。  GLP―1受容体作動薬はもともと2型糖尿病の治療目的で開発されたが、臨床試験中に食欲減少という興味深い作用が見つかったのが始まりだ。この発見は、GLP―1が食欲調節に関わる脳領域にも作用することを

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