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臨床研究と患者の人権

第7シリーズ⑦ 臨床研究の不祥事はなぜなくならないか

ジャーナリスト 出河雅彦

2023年11月1日号

 生命倫理研究者、橳島次郎氏との対談の第7回では、手術・手技の管理のあり方について話し合う。 橳島氏(本人提供) ナンセンスな理屈 出河 臨床研究と言えば、新しい薬物や医療機器の治験、承認済みの医薬品の効果を比較する臨床試験などを思い浮かべますが、安全性、有効性が確立していない新しい手術法を患者に対して用いる場合も厳格な管理が必要となります。  ディオバンの臨床研究不正を受け、厚生労働省の検討会が臨床研究に対する法規制を求める報告書をまとめる直前の2014年11月、群馬大学医学部附属病院で行われた腹腔鏡下肝切除術で患者8人が死亡していたことが明るみに出ました。死亡事例はいずれも、公的医療保険の適用外の術式で行われたものでしたが、院内での倫理審査は行われておらず、患者にも保険適用外であることは説明さ...  生命倫理研究者、橳島次郎氏との対談の第7回では、手術・手技の管理のあり方について話し合う。 橳島氏(本人提供) ナンセンスな理屈 出河 臨床研究と言えば、新しい薬物や医療機器の治験、承認済みの医薬品の効果を比較する臨床試験などを思い浮かべますが、安全性、有効性が確立していない新しい手術法を患者に対して用いる場合も厳格な管理が必要となります。  ディオバンの臨床研究不正を受け、厚生労働省の検討会が臨床研究に対する法規制を求める報告書をまとめる直前の2014年11月、群馬大学医学部附属病院で行われた腹腔鏡下肝切除術で患者8人が死亡していたことが明るみに出ました。死亡事例はいずれも、公的医療保険の適用外の術式で行われたものでしたが、院内での倫理審査は行われておらず、患者にも保険適用外であることは説明されて

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