読む医療ー医者が書いた本の斜め読みー
ナラティブの本質を理解する
第228回
大西一幸
2023年11月1日号
近藤雄生 岸本寛史
創元社
2023年9月刊
今回の読書はライターの近藤雄生氏が聞き手として、内科医、緩和医療医の岸本寛史氏に話を聞いた本を選んだ(以下、敬称を略す)。
岸本は緩和ケア関連を中心に多数の著書があるが、今回は専門家ではない読者層を意識したものだろうとの見当をつけた。テーマは緩和医療のステージを中心にして、ナラティブ・ベースド・メディスン(NBM)への理解を深めることを目的にしているような印象が強い。岸本はエピローグの文章で、EBMとNBMが対立するものではないと断り、多くの医療者がEBMの意味を誤解していることに対抗するため、あえてナラティブとエビデンスを対立させる構図で話したことを表明している。その点を頭に入れて読んだと思う。
これについては第Ⅳ章でやや詳しく説明している。「医学は科学であるゆえに、経...
近藤雄生 岸本寛史
創元社
2023年9月刊
今回の読書はライターの近藤雄生氏が聞き手として、内科医、緩和医療医の岸本寛史氏に話を聞いた本を選んだ(以下、敬称を略す)。
岸本は緩和ケア関連を中心に多数の著書があるが、今回は専門家ではない読者層を意識したものだろうとの見当をつけた。テーマは緩和医療のステージを中心にして、ナラティブ・ベースド・メディスン(NBM)への理解を深めることを目的にしているような印象が強い。岸本はエピローグの文章で、EBMとNBMが対立するものではないと断り、多くの医療者がEBMの意味を誤解していることに対抗するため、あえてナラティブとエビデンスを対立させる構図で話したことを表明している。その点を頭に入れて読んだと思う。
これについては第Ⅳ章でやや詳しく説明している。「医学は科学であるゆえに、経験
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