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家計簿目線の医療経済 コスパ患者学

2型糖尿病へのマンジャロ

第32回 心臓血管系疾患抑制は偽薬と差なし?

黒澤 恵

2023年11月15日号

 GIP/GLP—1受容体のデュアル作動薬であるチルゼパチド(「マンジャロ」)のスタートダッシュが快調のようだ。高用量製剤は発売開始後1ヵ月で出荷調整がかかった。「血糖低下」を目的とした処方ではなく「減量」目当ての適応外使用が急増した結果とも考えられるが、いずれにせよピーク時の売上げは367億円(中央社会保険医療協議会資料)と見込まれている。日本糖尿病学会もさっそく「2型糖尿病の薬物療法のアルゴリズム」を改訂し、チルゼパチドを日常診療のなかに位置付けた。  このように今後も売り上げが伸びそうなチルゼパチドだが、「費用対効果」はどうだろう。結論を言えば「相当悪い可能性」が高い。見てみよう。  その前に糖尿病治療の目的を、もう一度確認したい。日本糖尿病学会の「糖尿病診療ガイドライン2019」にも記されているとおり、糖尿病治療の目的は高血...  GIP/GLP—1受容体のデュアル作動薬であるチルゼパチド(「マンジャロ」)のスタートダッシュが快調のようだ。高用量製剤は発売開始後1ヵ月で出荷調整がかかった。「血糖低下」を目的とした処方ではなく「減量」目当ての適応外使用が急増した結果とも考えられるが、いずれにせよピーク時の売上げは367億円(中央社会保険医療協議会資料)と見込まれている。日本糖尿病学会もさっそく「2型糖尿病の薬物療法のアルゴリズム」を改訂し、チルゼパチドを日常診療のなかに位置付けた。  このように今後も売り上げが伸びそうなチルゼパチドだが、「費用対効果」はどうだろう。結論を言えば「相当悪い可能性」が高い。見てみよう。  その前に糖尿病治療の目的を、もう一度確認したい。日本糖尿病学会の「糖尿病診療ガイドライン2019」にも記されているとおり、糖尿病治療の目的は高血糖

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