医薬経済オンライン

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ワクチン以外は幻想だった武田ウェバー政権の命運

パイプラインは投資家にとってもはや地雷原

2023年11月15日号

 最主力薬「エンティビオ」の特許が切れる32年以降の持続的成長のため、新薬上市の効果が現れる時期から逆算してパイプラインを常に満たし、それでも足りない部分は外部リソースを臨機応変に導入する──。製薬企業を司るすべての者にとって要諦と言えるこの“開発カレンダー”を、武田薬品のクリストフ・ウェバー社長は就任10年目を数えるにもかかわらず、一向にうまく描けないようだ。  決算会見ごとに示す強気で楽観的な見通しも、程なく、現実との齟齬が出る傾向が最近、とみに顕著となっている。世は一般に、この状態を「オオカミ少年」と呼ぶ。「武田薬品の将来を考える会」をはじめとするカウンターパートの弱体化に安堵する暇もあえなく潰え、先行きには暗雲が立ち込めている。  10月26日に発表された武田の24年3月期第2四半期決算。そのなかで同社は、通期の業績予想に...  最主力薬「エンティビオ」の特許が切れる32年以降の持続的成長のため、新薬上市の効果が現れる時期から逆算してパイプラインを常に満たし、それでも足りない部分は外部リソースを臨機応変に導入する──。製薬企業を司るすべての者にとって要諦と言えるこの“開発カレンダー”を、武田薬品のクリストフ・ウェバー社長は就任10年目を数えるにもかかわらず、一向にうまく描けないようだ。  決算会見ごとに示す強気で楽観的な見通しも、程なく、現実との齟齬が出る傾向が最近、とみに顕著となっている。世は一般に、この状態を「オオカミ少年」と呼ぶ。「武田薬品の将来を考える会」をはじめとするカウンターパートの弱体化に安堵する暇もあえなく潰え、先行きには暗雲が立ち込めている。  10月26日に発表された武田の24年3月期第2四半期決算。そのなかで同社は、通期の業績予想につい

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