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医工連携

脳梗塞巣中の免疫細胞を神経へ転換

医工連携の実践者103 中島欽一 九州大学教授

2023年11月15日号

 脳梗塞によって血流を絶たれて神経細胞(ニューロン)が死んでしまうと、そのニューロンを含む神経回路が司っていた運動、感覚、言語、記憶などの機能も損なわれる。損傷部位に新しいニューロンを供給できれば、神経回路が再構築されて機能も回復する可能性はあるが、脳はニューロンを再生・新生する能力が低く、現時点では有効な治療法となっていない。  この脳梗塞さらには脊髄損傷の画期的治療法へとつながるかもしれない論文が10月の『米国科学アカデミー紀要(PNAS)』に掲載された。  脳梗塞モデルマウスで、亜急性期に当たる虚血後7日の梗塞中心部に「ニューロン誘導性転写因子」をコードする遺伝子NeuroD1搭載のレンチウイルスベクターを投与することで、集積していた免疫担当細胞のミクログリア/マクロファージを直接ニューロン様の細胞(iN細胞)へと分化転換(...  脳梗塞によって血流を絶たれて神経細胞(ニューロン)が死んでしまうと、そのニューロンを含む神経回路が司っていた運動、感覚、言語、記憶などの機能も損なわれる。損傷部位に新しいニューロンを供給できれば、神経回路が再構築されて機能も回復する可能性はあるが、脳はニューロンを再生・新生する能力が低く、現時点では有効な治療法となっていない。  この脳梗塞さらには脊髄損傷の画期的治療法へとつながるかもしれない論文が10月の『米国科学アカデミー紀要(PNAS)』に掲載された。  脳梗塞モデルマウスで、亜急性期に当たる虚血後7日の梗塞中心部に「ニューロン誘導性転写因子」をコードする遺伝子NeuroD1搭載のレンチウイルスベクターを投与することで、集積していた免疫担当細胞のミクログリア/マクロファージを直接ニューロン様の細胞(iN細胞)へと分化転換(ダイ

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