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財界論

財界と学者

第38回 権威の欲しい財界、カネのない学者

茨城大学名誉教授 古賀純一郎

2023年11月15日号

 今回は異色のテーマともいえる財界と学者の関係について考察する。無関係とも思えるが切望する政策の実現に向けてお墨付きを得たい財界は意外にも強く依存している。研究費の確保に追われる学者は箔付けにもなるから別段拒む話ではない。主催するセミナーの講師や研究所のスタッフに意外にも多くが名前を連ねている。  首相の諮問機関の税制調査会など政府の委員や省庁の“隠れ蓑”ともいわれる審議会の委員などに学者が就くケースは少なくない。研究に利用できる政府の統計や情報、アイデアなどを入手できる利点があるからだ。もっとも役所の振り付けに従ってくれれば大歓迎だが反旗を翻す学者もたまにいる。その場合は、ご辞退いただくことになる。ノーベル経済学賞候補の故宇沢弘文・東京大学教授などがそうだった。  前回10月15日号の連載で希求する政策の実現のため日本...  今回は異色のテーマともいえる財界と学者の関係について考察する。無関係とも思えるが切望する政策の実現に向けてお墨付きを得たい財界は意外にも強く依存している。研究費の確保に追われる学者は箔付けにもなるから別段拒む話ではない。主催するセミナーの講師や研究所のスタッフに意外にも多くが名前を連ねている。  首相の諮問機関の税制調査会など政府の委員や省庁の“隠れ蓑”ともいわれる審議会の委員などに学者が就くケースは少なくない。研究に利用できる政府の統計や情報、アイデアなどを入手できる利点があるからだ。もっとも役所の振り付けに従ってくれれば大歓迎だが反旗を翻す学者もたまにいる。その場合は、ご辞退いただくことになる。ノーベル経済学賞候補の故宇沢弘文・東京大学教授などがそうだった。  前回10月15日号の連載で希求する政策の実現のため日本経団

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