家計簿目線の医療経済 コスパ患者学
2型糖尿病へのリベルサス:高額だが重篤心臓血管系疾患は抑制せず
第33回
黒澤 恵
2023年12月1日号
治療効率と薬剤費から費用対効果を検討する本連載、今回は血糖低下薬「リベルサス」(セマグルチド経口剤)を取り上げる。GLP−1受容体作動薬で唯一の経口剤ということもあり、上市以来爆発的に処方が増え続けている。セマグルチドには「糖代謝改善」作用だけでなく「減量」作用もあるとされ、その点でもリベルサスは医師の間では人気があるようだ。
しかし、患者目線で見た場合、この薬にどれほどのメリットがあるだろうか。患者にとって重要なのはHbA1cなど「糖代謝管理の良否」ではなく「この薬を飲めば将来の病気が防げるか」どうかだ。「糖尿病診療ガイドライン2019」(日本糖尿病学会編・著)的に表現するなら「糖尿病に起こりやすい併発症の発症、増悪を防ぎ、健康人と変わらない生活の質(QOL)を保ち、健康人と変わらない寿命を全う」(糖尿病治療の目的)できるかどうか、とい...
治療効率と薬剤費から費用対効果を検討する本連載、今回は血糖低下薬「リベルサス」(セマグルチド経口剤)を取り上げる。GLP−1受容体作動薬で唯一の経口剤ということもあり、上市以来爆発的に処方が増え続けている。セマグルチドには「糖代謝改善」作用だけでなく「減量」作用もあるとされ、その点でもリベルサスは医師の間では人気があるようだ。
しかし、患者目線で見た場合、この薬にどれほどのメリットがあるだろうか。患者にとって重要なのはHbA1cなど「糖代謝管理の良否」ではなく「この薬を飲めば将来の病気が防げるか」どうかだ。「糖尿病診療ガイドライン2019」(日本糖尿病学会編・著)的に表現するなら「糖尿病に起こりやすい併発症の発症、増悪を防ぎ、健康人と変わらない生活の質(QOL)を保ち、健康人と変わらない寿命を全う」(糖尿病治療の目的)できるかどうか、というこ
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