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読む医療ー医者が書いた本の斜め読みー

毒殺はなぜ割に合わなくなった

第230回

大西一幸

2023年12月1日号

毒殺の化学世界を震撼させた11の毒  ニール・ブラッドベリー 五十嵐加奈子訳 青土社/2023年8月刊  読後は少しがっかり感があったことは正直に告白しよう。サブタイトルが「世界を震撼させた11の毒」とあるので、動物系の毒も触れているはずだと思ったのはこちらの勝手だが、やはり蛇毒かふぐ毒かは含めてほしいところ。「世界」を震撼させたとあるが、ほとんどが欧米でのエピソードで、邦訳サイドのタイトルの付け方は問題があると思う。原題に沿うなら「毒化学の犯罪簿」のようなものだ。  毒殺した人、された人々の物語が丹念に語られ、その動機や犯罪を隠すための偽装の準備など、相当な過去の話から現代までに著者の資料の渉猟は薄皮を剥がしていくように進むのだが、それなりに毒の化学が医薬品開発と表裏となり、毒を知った人物の一定の化学的... 毒殺の化学世界を震撼させた11の毒  ニール・ブラッドベリー 五十嵐加奈子訳 青土社/2023年8月刊  読後は少しがっかり感があったことは正直に告白しよう。サブタイトルが「世界を震撼させた11の毒」とあるので、動物系の毒も触れているはずだと思ったのはこちらの勝手だが、やはり蛇毒かふぐ毒かは含めてほしいところ。「世界」を震撼させたとあるが、ほとんどが欧米でのエピソードで、邦訳サイドのタイトルの付け方は問題があると思う。原題に沿うなら「毒化学の犯罪簿」のようなものだ。  毒殺した人、された人々の物語が丹念に語られ、その動機や犯罪を隠すための偽装の準備など、相当な過去の話から現代までに著者の資料の渉猟は薄皮を剥がしていくように進むのだが、それなりに毒の化学が医薬品開発と表裏となり、毒を知った人物の一定の化学的知識

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