巻頭言
風邪の咳は出て当たり前、鎮咳薬は必要な高齢者へ処方を
松瀬厚人・東邦大学医療センター大橋病院 呼吸器内科教授
2023年12月15日号
──鎮咳薬が不足しています。
松瀬 不要なくすりが淘汰されていっているのか、必要なくすりが欠如しているのか、どっちかよくわからなくて微妙だ。熱冷ましや痛み止めがないとなるとインパクトが強いが、咳止めや痰切りがないのが、そんなに大変なことなのかどうか。咳止めは飲んだからといってピタッと症状が止まるわけではない。
──鎮咳薬には古いくすりが多く、エビデンスを疑問視する声もあります。
松瀬 そもそも、急性の咳は自然軽快するもの。鎮咳薬はデータが取りづらい分野だ。今も処方し過ぎと言われるが、実はその後ろで、はるかに多くの人が何も飲まずに治っている。それに、咳は主観が入る症状だ。出そうと思えば出るし、気温など環境の影響も受ける。二重盲検試験は難しいだろう。そういう意味では、新薬をつくるのも難しい。
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──鎮咳薬が不足しています。
松瀬 不要なくすりが淘汰されていっているのか、必要なくすりが欠如しているのか、どっちかよくわからなくて微妙だ。熱冷ましや痛み止めがないとなるとインパクトが強いが、咳止めや痰切りがないのが、そんなに大変なことなのかどうか。咳止めは飲んだからといってピタッと症状が止まるわけではない。
──鎮咳薬には古いくすりが多く、エビデンスを疑問視する声もあります。
松瀬 そもそも、急性の咳は自然軽快するもの。鎮咳薬はデータが取りづらい分野だ。今も処方し過ぎと言われるが、実はその後ろで、はるかに多くの人が何も飲まずに治っている。それに、咳は主観が入る症状だ。出そうと思えば出るし、気温など環境の影響も受ける。二重盲検試験は難しいだろう。そういう意味では、新薬をつくるのも難しい。
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