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薬のおカネを議論しよう

SABCS参加で感じた新療法の「光と影」

第103回

医療ガバナンス研究所医師 尾崎章彦

2023年12月15日号

 23年12月5〜9日にかけて、米国テキサス州サンアントニオで開かれたサンアントニオ乳がんシンポジウム(SABCS)に参加した。この学術集会は、乳がんに関するものとして世界最大であり、会期中には、1万人以上の臨床家や研究者が世界中から集まった。 もともと、SABCSは、乳がんに関する基礎医学と臨床医学の橋渡しを目標に78年に設立された学術集会である。現在では、基礎医学・臨床医学にとどまらず、乳がんに関するあらゆる知見が発表される場となっている。今回、筆者は2つの演題を発表した。ひとつが日本の乳腺専門医1733人における製薬マネーを分析した研究、もうひとつが福島県浜通り地方における東日本大震災後の乳がん検診の推移をまとめた研究だ。ここからも、SABCSの間口の広さが窺い知れると思う。 ただ、SABCSで圧倒的な存在感を示すのが薬物療法である。例えば、オーラルの発表は大部分...  23年12月5〜9日にかけて、米国テキサス州サンアントニオで開かれたサンアントニオ乳がんシンポジウム(SABCS)に参加した。この学術集会は、乳がんに関するものとして世界最大であり、会期中には、1万人以上の臨床家や研究者が世界中から集まった。 もともと、SABCSは、乳がんに関する基礎医学と臨床医学の橋渡しを目標に78年に設立された学術集会である。現在では、基礎医学・臨床医学にとどまらず、乳がんに関するあらゆる知見が発表される場となっている。今回、筆者は2つの演題を発表した。ひとつが日本の乳腺専門医1733人における製薬マネーを分析した研究、もうひとつが福島県浜通り地方における東日本大震災後の乳がん検診の推移をまとめた研究だ。ここからも、SABCSの間口の広さが窺い知れると思う。 ただ、SABCSで圧倒的な存在感を示すのが薬物療法である。例えば、オーラルの発表は大部分が新

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