検証 医薬品と[特許]
後発品とその紛争―その4(オキサリプラチン①)
第23回
元大阪大学大学院 経済学研究科講師 西口博之
2023年12月15日号
医薬特許権の存続期間延長に関する裁判例では、延長登録に対する拒絶要件の解釈をめぐった判決が下されてきた。しかし、「オキサリプラチン」(「エルプラット」)の特許権侵害訴訟では延長された特許権の効力範囲についても侵害訴訟で正面から争われ、知財高裁大合議で新基準が定められた。
今回から3回にわたって、特許法68条の2に基づく延長された特許権の効力及び範囲について争われたデビオファームとヤクルト本社による「オキサリプラティヌム」に関する先発品メーカーと後発品メーカー13社との紛争での知的財産高等裁判所(第2審)判決を紹介する。
そもそも存続期間が延長された後の特許権の効力は「処分の対象となった物」をその処分において定められた特定の用途について実施する場合のみ、その実施行為が及ぶ(68条の2)。
具体的には、ある化学...
医薬特許権の存続期間延長に関する裁判例では、延長登録に対する拒絶要件の解釈をめぐった判決が下されてきた。しかし、「オキサリプラチン」(「エルプラット」)の特許権侵害訴訟では延長された特許権の効力範囲についても侵害訴訟で正面から争われ、知財高裁大合議で新基準が定められた。
今回から3回にわたって、特許法68条の2に基づく延長された特許権の効力及び範囲について争われたデビオファームとヤクルト本社による「オキサリプラティヌム」に関する先発品メーカーと後発品メーカー13社との紛争での知的財産高等裁判所(第2審)判決を紹介する。
そもそも存続期間が延長された後の特許権の効力は「処分の対象となった物」をその処分において定められた特定の用途について実施する場合のみ、その実施行為が及ぶ(68条の2)。
具体的には、ある化学物
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