医薬経済オンライン

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読む医療ー医者が書いた本の斜め読みー

日本独自文化の解剖を試みる

第231回

大西一幸

2023年12月15日号

日本のコミュニケーションを診る 遠慮・建前・気疲れ社会 パントー・フランチェスコ 光文社新書/2023年9月刊  作家の金井美恵子は『ちくま』(23年12月号)で、最近のジャーナリストたちが好んで使う慣用句「耳が痛い」は、使われている意味が違うのではないかと語っている。本来、「耳が痛い」は、軽いニュアンスで親しい相手に弱点を突かれることであり、「そこは弱点でありこそすれ急所ではない」と、ベテラン小説家は「耳の痛い」小言を放っている。同様に「心が折れる」はハートブレイクの日本語転用であり、「刺さる」という最近、大衆が使う流行語は、小さな棘のようなものが刺さるという意味ではなかったかという。確かに、「マスメディアの沈黙」と指摘された事案を、「耳が痛い」程度で済ます姿勢への批判は、その事案の重大性や深刻さに鈍感なこの国のメディア体質の正鵠... 日本のコミュニケーションを診る 遠慮・建前・気疲れ社会 パントー・フランチェスコ 光文社新書/2023年9月刊  作家の金井美恵子は『ちくま』(23年12月号)で、最近のジャーナリストたちが好んで使う慣用句「耳が痛い」は、使われている意味が違うのではないかと語っている。本来、「耳が痛い」は、軽いニュアンスで親しい相手に弱点を突かれることであり、「そこは弱点でありこそすれ急所ではない」と、ベテラン小説家は「耳の痛い」小言を放っている。同様に「心が折れる」はハートブレイクの日本語転用であり、「刺さる」という最近、大衆が使う流行語は、小さな棘のようなものが刺さるという意味ではなかったかという。確かに、「マスメディアの沈黙」と指摘された事案を、「耳が痛い」程度で済ます姿勢への批判は、その事案の重大性や深刻さに鈍感なこの国のメディア体質の正鵠を射

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