官の大罪
「不都合な真実」を隠す父権主義的な〝流儀〟
<上>
ノンフィクション作家 辰濃哲郎
2024年1月1日号
新型コロナウイルスが中国で覚知されて3年が経つ。そして感染症法上の分類が2類から5類に変更されて半年が過ぎた。街はすっかり平穏を取り戻し、マスク姿の市民もめっきり減っている。
果たして日本のパンデミック対策は効果をあげたのか、失敗だったのか。その評価を下すのは簡単ではない。数ある指標のなかで、人口当たりの感染者数や死者数だけでは分析・比較することは難しいからだ。
未知なるウイルスへの対策に正解はないと言われているが、次なるパンデミックに備えるという意味においては、検証作業は早急に進めるべきだ。
コロナ禍の2年半を振り返ってみると、対策を決める官邸を中心とした政府と専門家集団の役割分担が不明確で、最後まで歯車がかみ合わなかったという印象が強い。その原因を辿っていくと、官邸と専門家集団の橋渡し役を担うべき...
新型コロナウイルスが中国で覚知されて3年が経つ。そして感染症法上の分類が2類から5類に変更されて半年が過ぎた。街はすっかり平穏を取り戻し、マスク姿の市民もめっきり減っている。
果たして日本のパンデミック対策は効果をあげたのか、失敗だったのか。その評価を下すのは簡単ではない。数ある指標のなかで、人口当たりの感染者数や死者数だけでは分析・比較することは難しいからだ。
未知なるウイルスへの対策に正解はないと言われているが、次なるパンデミックに備えるという意味においては、検証作業は早急に進めるべきだ。
コロナ禍の2年半を振り返ってみると、対策を決める官邸を中心とした政府と専門家集団の役割分担が不明確で、最後まで歯車がかみ合わなかったという印象が強い。その原因を辿っていくと、官邸と専門家集団の橋渡し役を担うべき官
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