明日への警鐘「苦悩する介護者たち」ー介護保険制度の空白地帯に苦しむ現実ー
介護が苦しい人には「やめる」選択肢も
第9回 NPO法人こもれび相談室の活動
熊田梨恵
2024年1月1日号
2024年度の介護報酬改定を控え、本連載では日本の介護保険制度でほぼ見落とされている介護者(ケアラー)への支援と、ケアラーの置かれた厳しい現状をお伝えする。前回までは現場で介護に奮闘するケアラーの心理的な負担や国内で進むケアラー支援の研究について書いた。今回は介護保険でサポートされていないケアラーの心理ケアに取り組むNPO団体の活動を伝える。
◇ ◇ ◇
「父親が、足が痛くて歩けなくなって。タクシーも呼んで病院に行く準備もできているのに、直前になって『やっぱり行かない』と言い出して。本当に難しい性格で困ります。私は仕事を休んだのに、結局通院できませんでした」
11月末の土曜日の午後。大阪府池田市内にあるNPO法人こもれび相談室の一室で、両親を介護中の60歳代の娘が大きくため息をつく。向かいに座る看護師スタッフ...
2024年度の介護報酬改定を控え、本連載では日本の介護保険制度でほぼ見落とされている介護者(ケアラー)への支援と、ケアラーの置かれた厳しい現状をお伝えする。前回までは現場で介護に奮闘するケアラーの心理的な負担や国内で進むケアラー支援の研究について書いた。今回は介護保険でサポートされていないケアラーの心理ケアに取り組むNPO団体の活動を伝える。
◇ ◇ ◇
「父親が、足が痛くて歩けなくなって。タクシーも呼んで病院に行く準備もできているのに、直前になって『やっぱり行かない』と言い出して。本当に難しい性格で困ります。私は仕事を休んだのに、結局通院できませんでした」
11月末の土曜日の午後。大阪府池田市内にあるNPO法人こもれび相談室の一室で、両親を介護中の60歳代の娘が大きくため息をつく。向かいに座る看護師スタッフは相
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