医薬経済オンライン

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現場が望む社会保障制度

医師の働き方改革は「劇薬」か?

第104回

ニッセイ基礎研究所主任研究員 三原 岳

2024年1月1日号

 勤務医の超過勤務抑制をめざす「医師の働き方改革」の本格施行が、4ヵ月後の今年4月に迫っている。この改革では、医師の超過勤務を原則として年960時間(地域医療の確保や医師のスキル向上に必要な医療機関で働く医師は年1860時間)に抑制することが求められており、現場の医療機関は宿泊を要する業務である「宿日直」の取得など準備に追われているようだ。  しかし、宿日直の判断基準とか、医師が自らの技能向上を図る「自己研鑽」などでは曖昧さが残されており、現場の医療機関にはルール作りと法の趣旨に沿った運用が求められる。さらに、最終的には医師の勤務時間削減にとどまらず、医師の健康確保措置の実施や勤務環境の改善が必要になるうえ、今後は診療体制の見直しなどに発展する可能性も想定される。  今回は中長期的な視点に立って、医師の働き方改革の影響を占う...  勤務医の超過勤務抑制をめざす「医師の働き方改革」の本格施行が、4ヵ月後の今年4月に迫っている。この改革では、医師の超過勤務を原則として年960時間(地域医療の確保や医師のスキル向上に必要な医療機関で働く医師は年1860時間)に抑制することが求められており、現場の医療機関は宿泊を要する業務である「宿日直」の取得など準備に追われているようだ。  しかし、宿日直の判断基準とか、医師が自らの技能向上を図る「自己研鑽」などでは曖昧さが残されており、現場の医療機関にはルール作りと法の趣旨に沿った運用が求められる。さらに、最終的には医師の勤務時間削減にとどまらず、医師の健康確保措置の実施や勤務環境の改善が必要になるうえ、今後は診療体制の見直しなどに発展する可能性も想定される。  今回は中長期的な視点に立って、医師の働き方改革の影響を占うこ

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