医政羅針盤
賃上げ財源に割かれる診療報酬改定
山形大学大学院医学系研究科医療政策学講座教授 村上正泰
2024年1月15日号
診療所に大きな影響が出る改定
最近の診療報酬改定では、12月下旬の改定率決定時点で内訳の一部を示し、それらを含むのか、除くのかといった数字の見せ方によって、それぞれの立場から異なった評価が可能となるために、実態が捉え難くなる傾向にある。
今回の24年度改定を全体として見ると、本体が+0.88%、薬価等が▲1.0%で、両者を合わせると▲0.12%となった。本体はプラス改定ではあるものの、薬価等の引き下げ分ほどではなく、全体では(消費税増税時のコスト増の補填分を除いて)マイナス改定という14年度改定以降の一貫したトレンドを踏襲している。
今回の本体改定率は、次の要素に分解することができる。
①40歳未満の勤務医師・勤務歯科医師・薬局の勤務薬剤師、事務職員、歯科技工所等で従事する者の賃上げ:+0.28%程度
②看護...
診療所に大きな影響が出る改定
最近の診療報酬改定では、12月下旬の改定率決定時点で内訳の一部を示し、それらを含むのか、除くのかといった数字の見せ方によって、それぞれの立場から異なった評価が可能となるために、実態が捉え難くなる傾向にある。
今回の24年度改定を全体として見ると、本体が+0.88%、薬価等が▲1.0%で、両者を合わせると▲0.12%となった。本体はプラス改定ではあるものの、薬価等の引き下げ分ほどではなく、全体では(消費税増税時のコスト増の補填分を除いて)マイナス改定という14年度改定以降の一貫したトレンドを踏襲している。
今回の本体改定率は、次の要素に分解することができる。
①40歳未満の勤務医師・勤務歯科医師・薬局の勤務薬剤師、事務職員、歯科技工所等で従事する者の賃上げ:+0.28%程度
②看護職
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