医薬経済オンライン

医療・医薬業界をさまざまな視点・論点から示すメディア

医工連携

老化細胞巨大化の機構発見

医工連携の実践者108 鎌田真司 神戸大学教授

2024年2月1日号

 細胞がDNAに損傷を受けた場合、その程度が小さければ修復され、十分に大きければ自死(アポトーシス)する。そして修復でもアポトーシスでもない場合、増殖能力を失って生き続ける「老化細胞」となる。  アポトーシスを起こした細胞は、速やかに貪食され、周辺組織への悪影響は最低限に収まる。その一方で老化細胞は、自身のがん化こそ防いでいると考えられるものの、溜まり続けてSASP因子と呼ばれるタンパク質群などを分泌、心血管疾患やアルツハイマー病、糖尿病など老化関連疾患の原因となったり、がんの増殖や悪性化を促進したりする。  老化細胞を除去すると、老化関連疾患やがんが抑制されたり寿命が延びたりするとマウス実験で示されており、しぶとく生き残らず潔く死んでもらったほうがよいのかもしれない。このため、体内から老化細胞を除去して、老化関連疾患の治...  細胞がDNAに損傷を受けた場合、その程度が小さければ修復され、十分に大きければ自死(アポトーシス)する。そして修復でもアポトーシスでもない場合、増殖能力を失って生き続ける「老化細胞」となる。  アポトーシスを起こした細胞は、速やかに貪食され、周辺組織への悪影響は最低限に収まる。その一方で老化細胞は、自身のがん化こそ防いでいると考えられるものの、溜まり続けてSASP因子と呼ばれるタンパク質群などを分泌、心血管疾患やアルツハイマー病、糖尿病など老化関連疾患の原因となったり、がんの増殖や悪性化を促進したりする。  老化細胞を除去すると、老化関連疾患やがんが抑制されたり寿命が延びたりするとマウス実験で示されており、しぶとく生き残らず潔く死んでもらったほうがよいのかもしれない。このため、体内から老化細胞を除去して、老化関連疾患の治療

有料会員限定

会員登録(有料)
この記事をお読みいただくためには、会員登録(有料)が必要です。
新規会員登録とマイページ > 購読情報から購入手続きをお願いいたします。
※IDをお持ちの方はログインからお進みください

【会員登録方法】
会員登録をクリックしていただくと、新規会員仮登録メール送信画面に移動します。
メールアドレスを入力して会員登録をお願い致します。
1ユーザーごとの登録をお願い致します。(1ユーザー1アカウントです)

googleAdScence