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家計簿目線の医療経済 コスパ患者学

日本人高リスク例に対するレクビオ:出番はあるのか?

第37回

黒澤 恵

2024年2月1日号

 23年11月、新規LDLコレステロール低下剤「レクビオ」(インクリシラン)が発売された。LDL受容体を分解するPCSK9の合成そのものを抑制する初の薬剤で、基本的に年2回の注射で済むのが大きな特徴だ。ノバルティスファーマはピーク時で200億円近い売上げを見込んでいるという。  今回はこの薬剤の費用対効果(コスパ)を検討しよう。現時点ではまだ、心臓血管系重篤疾患を評価項目とした無作為化試験の結果は報告されていない。進行中の「オリオン4」試験は終了予定が26年、「ヴィクトリオン2P」も27年だ(ClinicalTrials.gov)。そこで23年公表の第Ⅲ相試験メタ解析を用いる[EHJ 2023;44:129]。解析に含まれた試験はいずれも臨床イベント評価を目的とはしていないため、イベント発現は担当医による申告に基づいている。イベント判定委員会のチェックは受けておらず、正確性に一定の疑念は...  23年11月、新規LDLコレステロール低下剤「レクビオ」(インクリシラン)が発売された。LDL受容体を分解するPCSK9の合成そのものを抑制する初の薬剤で、基本的に年2回の注射で済むのが大きな特徴だ。ノバルティスファーマはピーク時で200億円近い売上げを見込んでいるという。  今回はこの薬剤の費用対効果(コスパ)を検討しよう。現時点ではまだ、心臓血管系重篤疾患を評価項目とした無作為化試験の結果は報告されていない。進行中の「オリオン4」試験は終了予定が26年、「ヴィクトリオン2P」も27年だ(ClinicalTrials.gov)。そこで23年公表の第Ⅲ相試験メタ解析を用いる[EHJ 2023;44:129]。解析に含まれた試験はいずれも臨床イベント評価を目的とはしていないため、イベント発現は担当医による申告に基づいている。イベント判定委員会のチェックは受けておらず、正確性に一定の疑念は残

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