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官の大罪

災害医療の処方箋を綴った報告書は生かされず

〈中〉

ノンフィクション作家 辰濃哲郎

2024年2月15日号

 新型コロナウイルス感染症対策分科会長を務めた尾身茂・現結核予防会理事長のインタビューを収録した「きしむ政治と科学 コロナ禍、尾身茂氏との対話」には、尾身氏の後悔が綴られている。  09年に流行した新型インフルエンザウイルスへの対策を検証する「新型インフルエンザ対策総括会議」の報告書に盛り込まれた数々の提言が、コロナ禍では生かされなかったことを、何度も繰り返しているのだ。 「教訓を生かして新たな感染症に備えるべきだったのに、日本はそれを怠りました。韓国などと比べて大きなハンディキャップを持ってコロナ対応にあたらざるを得なくなったのです」  その尾身氏が、同書で専門家集団が直面した4つの壁のひとつに挙げたのが、専門家の役割と政府との関係だった。  専門家集団はコロナ禍で100以上の提言書を公表してきた。...  新型コロナウイルス感染症対策分科会長を務めた尾身茂・現結核予防会理事長のインタビューを収録した「きしむ政治と科学 コロナ禍、尾身茂氏との対話」には、尾身氏の後悔が綴られている。  09年に流行した新型インフルエンザウイルスへの対策を検証する「新型インフルエンザ対策総括会議」の報告書に盛り込まれた数々の提言が、コロナ禍では生かされなかったことを、何度も繰り返しているのだ。 「教訓を生かして新たな感染症に備えるべきだったのに、日本はそれを怠りました。韓国などと比べて大きなハンディキャップを持ってコロナ対応にあたらざるを得なくなったのです」  その尾身氏が、同書で専門家集団が直面した4つの壁のひとつに挙げたのが、専門家の役割と政府との関係だった。  専門家集団はコロナ禍で100以上の提言書を公表してきた。そ

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