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技術革新と製薬企業の明日

CARーT細胞療法の試金石

第159回 2次性腫瘍発生リスクをどう防ぐか

宮田総研代表取締役 宮田満

2024年2月15日号

 17年8月、世界初のCAR―T細胞療法「キムリア」が発売されて、6年半が経過した。当初、多くの製薬関係者が成功を疑ったCAR―T細胞療法だが、全世界で2万7000人の患者に処方されるブロックバスターに成長した。平均価格を4000万円と仮定すると累積売上高は1兆円を突破したこととなる。この絶好調のCAR―T細胞に、新たな脅威となる2次性腫瘍発生のリスクが浮かび上がった。問題解決こそ、第2世代の実用化に突入しつつあるCAR―T細胞のさらなる発展の試金石となる。  これまでの副作用は、サイトカイン症候群だったが、抗IL6受容体抗体「アクテムラ」による治療法が確立、副作用問題は誰もが一段落したと考えた矢先だった。  米国食品医薬品局(FDA)のロバート・カリフ長官が年頭スピーチでCAR―T細胞による2次性のT細胞腫瘍発生のリスクを指摘。「しかし、B細胞リンパ...  17年8月、世界初のCAR―T細胞療法「キムリア」が発売されて、6年半が経過した。当初、多くの製薬関係者が成功を疑ったCAR―T細胞療法だが、全世界で2万7000人の患者に処方されるブロックバスターに成長した。平均価格を4000万円と仮定すると累積売上高は1兆円を突破したこととなる。この絶好調のCAR―T細胞に、新たな脅威となる2次性腫瘍発生のリスクが浮かび上がった。問題解決こそ、第2世代の実用化に突入しつつあるCAR―T細胞のさらなる発展の試金石となる。  これまでの副作用は、サイトカイン症候群だったが、抗IL6受容体抗体「アクテムラ」による治療法が確立、副作用問題は誰もが一段落したと考えた矢先だった。  米国食品医薬品局(FDA)のロバート・カリフ長官が年頭スピーチでCAR―T細胞による2次性のT細胞腫瘍発生のリスクを指摘。「しかし、B細胞リンパ腫

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