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高齢者のがん薬物治療②

第126回 画期的な研究が続く肺がん治療薬の現在地

ジョージメイスン大学大学院(バージニア州)パブリックヘルス専攻  堀玲子

2024年2月15日号

 肺がん領域では、分子標的薬や免疫チェックポイント阻害薬と言った画期的な治療薬が次々と登場している。単剤だけでなく併用療法でも研究が進んでいる。ステージⅣ患者や高齢者にも新しい治療機会を創出した。  疫学的には18年の日本の肺がん罹患患者約12万人のうち、50%が75歳以上の後期高齢者であり、高齢者向けに最適な治療戦略の確立は社会的な要望となっている。  今回は、とくに高齢者への免疫チェックポイント阻害薬がどのように効果的に使用されるのかを考察していきたい。高齢者の肺がん治療で最も有名なのが森喜朗元首相の事例だろう。自身がステージⅣの肺がんに罹患していた15年、まだ2〜3割の患者しか効果がないとされていた「オプジーボ」を自分の体で実験してほしいと申し出て投与したところ、劇的な治療効果が認められた。「本庶(佑)先生に感謝したい」と...  肺がん領域では、分子標的薬や免疫チェックポイント阻害薬と言った画期的な治療薬が次々と登場している。単剤だけでなく併用療法でも研究が進んでいる。ステージⅣ患者や高齢者にも新しい治療機会を創出した。  疫学的には18年の日本の肺がん罹患患者約12万人のうち、50%が75歳以上の後期高齢者であり、高齢者向けに最適な治療戦略の確立は社会的な要望となっている。  今回は、とくに高齢者への免疫チェックポイント阻害薬がどのように効果的に使用されるのかを考察していきたい。高齢者の肺がん治療で最も有名なのが森喜朗元首相の事例だろう。自身がステージⅣの肺がんに罹患していた15年、まだ2〜3割の患者しか効果がないとされていた「オプジーボ」を自分の体で実験してほしいと申し出て投与したところ、劇的な治療効果が認められた。「本庶(佑)先生に感謝したい」と述べ

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