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医工連携

アレルギーを脂質から解明

医工連携の実践者110 村田幸久 東京大学准教授

2024年3月1日号

 アレルギー性鼻炎は、いまや2人に1人が悩む国民病になったとの説がある。実際、国立成育医療研究センターのチームが22年、03~05年に妊娠して同センターで出産予定だった母親1701人と生まれた子ども1550人を登録して追跡する「成育コホート」の途中経過として報告した論文によれば、調査参加者が13歳を迎えたとき、血中に何らかのアレルゲンに反応するIgEが存在した割合は81.8%で68.8%は過去1年以内に鼻炎症状が出ていたという。  釈迦に説法ながらアレルギー性鼻炎などⅠ型アレルギーのメカニズムをおさらいすると、IgEがマスト細胞表面の受容体に結合、さらにアレルゲンと結合して受容体を架橋することで、ヒスタミンやセロトニン、ロイコトリエン、プロスタグランジンなどが放出されて症状の原因となる。  一旦生じてしまったIgEを体内から完全に排除するのは非現実的で...  アレルギー性鼻炎は、いまや2人に1人が悩む国民病になったとの説がある。実際、国立成育医療研究センターのチームが22年、03~05年に妊娠して同センターで出産予定だった母親1701人と生まれた子ども1550人を登録して追跡する「成育コホート」の途中経過として報告した論文によれば、調査参加者が13歳を迎えたとき、血中に何らかのアレルゲンに反応するIgEが存在した割合は81.8%で68.8%は過去1年以内に鼻炎症状が出ていたという。  釈迦に説法ながらアレルギー性鼻炎などⅠ型アレルギーのメカニズムをおさらいすると、IgEがマスト細胞表面の受容体に結合、さらにアレルゲンと結合して受容体を架橋することで、ヒスタミンやセロトニン、ロイコトリエン、プロスタグランジンなどが放出されて症状の原因となる。  一旦生じてしまったIgEを体内から完全に排除するのは非現実的で、

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