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家計簿目線の医療経済 コスパ患者学

腎性貧血へのバフセオ。重篤心臓血管系疾患リスクは増加

第39回

黒澤 恵

2024年3月1日号

 治療薬の薬剤費と有効性から費用対効果(コスパ)を考える本連載、前回に引き続き腎性貧血治療薬であるHIF―PH阻害剤を取り上げたい。今回は「バフセオ」(バダデュスタット)に焦点を当てる。売上高は23年度で31億円を見込み、30年頃には141億円と予測している。  国際的な腎疾患学術組織である「KDIGO」(ケーディゴ)は、12年に刊行した腎性貧血ガイドラインでESA(赤血球造血刺激因子製剤)使用(エリスロポエチン増加治療)に際して、「輸血回数減少、並びに貧血関連症状の軽減」と治療に関連した「害」(心臓血管系疾患リスク増加など)のバランスを取るよう明記した。そのためエリスロポエチン増加作用のあるHIF―PH阻害剤は登場時に、「貧血改善作用」と「心臓血管系安全性」がESAと比較されることになる。今回のバダデュスタットも例外ではない。  そこで実施された...  治療薬の薬剤費と有効性から費用対効果(コスパ)を考える本連載、前回に引き続き腎性貧血治療薬であるHIF―PH阻害剤を取り上げたい。今回は「バフセオ」(バダデュスタット)に焦点を当てる。売上高は23年度で31億円を見込み、30年頃には141億円と予測している。  国際的な腎疾患学術組織である「KDIGO」(ケーディゴ)は、12年に刊行した腎性貧血ガイドラインでESA(赤血球造血刺激因子製剤)使用(エリスロポエチン増加治療)に際して、「輸血回数減少、並びに貧血関連症状の軽減」と治療に関連した「害」(心臓血管系疾患リスク増加など)のバランスを取るよう明記した。そのためエリスロポエチン増加作用のあるHIF―PH阻害剤は登場時に、「貧血改善作用」と「心臓血管系安全性」がESAと比較されることになる。今回のバダデュスタットも例外ではない。  そこで実施されたのが

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