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技術革新と製薬企業の明日

「レケンビ」1兆6000億円達成の秘策

第160回 新薬との併用療法に加え「隠し球」も用意

宮田総研代表取締役 宮田満

2024年3月15日号

 注目のアルツハイマー病新薬「レケンビ」(レカネマブ)はスロースターターだった。23年売上高は1000万ドル、14億円に過ぎなった。エーザイは32年に世界で1兆6000億円を売り上げるとぶち上げるが、その差は大きく、米国で共同販売する米バイオジェンの株価は大きく下落した。世間の懸念を払拭すべく、3月7日に開催した記者懇談会でレケンビ販促の秘策を内藤晴夫CEOが明らかにした。そこには語られぬ狙いも隠されていた。  記者懇は、内藤CEOが冒頭にエーザイの定款変更を発表するという異様なオープニングで始まった。呆気に取られる記者たちを尻目に、内藤CEOはレケンビの販促戦略を滔々と捲し立てた。定款変更と販促計画の違和感に戸惑ったが、強気のレケンビ拡販戦略の締め括りの言葉を聞いて、内藤CEOの隠された意図に気が付いた。  米国でのレケンビの販売立ち上がりは...  注目のアルツハイマー病新薬「レケンビ」(レカネマブ)はスロースターターだった。23年売上高は1000万ドル、14億円に過ぎなった。エーザイは32年に世界で1兆6000億円を売り上げるとぶち上げるが、その差は大きく、米国で共同販売する米バイオジェンの株価は大きく下落した。世間の懸念を払拭すべく、3月7日に開催した記者懇談会でレケンビ販促の秘策を内藤晴夫CEOが明らかにした。そこには語られぬ狙いも隠されていた。  記者懇は、内藤CEOが冒頭にエーザイの定款変更を発表するという異様なオープニングで始まった。呆気に取られる記者たちを尻目に、内藤CEOはレケンビの販促戦略を滔々と捲し立てた。定款変更と販促計画の違和感に戸惑ったが、強気のレケンビ拡販戦略の締め括りの言葉を聞いて、内藤CEOの隠された意図に気が付いた。  米国でのレケンビの販売立ち上がりは決

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